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休みの日や連休になると必ず熱が出たり、具合が悪くなったりしませんか?

メンタルヘルス

今回は「休日や連休になると、なぜが熱が出たり、体調を崩したりしやすくて困っている」という方に向けて、ブログを書きます。

休日や連休になるとなぜか熱が出たり、体調が悪くなったりします。

先月の連休に、一泊で大好きなバンドのライブに行く予定だったんです。仕事は毎日忙しいんですけど、ライブを楽しみに頑張ってきました。それが、いざ当日を迎えたら、朝から高熱が出て体が鉛のようで動けなくて。もう仕方がないので、泣く泣くライブに行くのは諦めました。本当につらくて落ち込みました。

でも、よく考えてみると、私ってこれまでもこういうことが多かったんですよ。休みや連休になると、なぜか体調が悪いんです。これって、なんなんですか?

毎日忙しく働く人にとって、休日や連休はとても待ち遠しいものです。旅行、買い物やスポーツ、趣味など、好きな予定をいれて、それをモチベーションに仕事を頑張る人も少なくないでしょう。

でも、せっかく休日を楽しみにがんばったのに、いざその日を迎えてみると高熱が出たり、体が鉛のように重かったりと、謎の体調不良で連休を不本意に過ごすという人の話は、カウンセリングでよく聞きます。そして、そういう人にさらに詳しく話を聞くと、連休の体調不良は、今に始まったことではなく前からしばしばあったようなのです。

これは、本当に辛いことですよね。連休を楽しみに励みにがんばってきた人にとって、自分に対して腹立たしさを覚えるような、なんとも受け入れがたい気持ちになるだろうと感じます。そして、原因がわからないこともまた悩みの種でしょう。「次こそは友達と楽しく遊びに行きたい!」と思って、体調管理には気をつけているつもりでも、なぜか同じことを繰り返してしまうわけですから、解決の見通しが立たない、重く苦しい悩みです。

もしあなたがこのような問題でお困りであれば、「休日や連休に起きる謎の体調不良」について、ぜひ知っておいてほしい大切な話をします。

ブログ執筆者 AIDERS 代表 山﨑正徳のプロフィールは こちら


ストレスが強い生活が当たり前だと、「体調管理のものさし」がどんどん狂う。

休日の謎の体調不良を、「戦地で毎日命の危険にさらされながら戦う兵士」で例えて説明してみます。

戦場の兵士にとって、相当に強い緊張感は日常的です。いつ銃弾やミサイルが飛んでくるかわからない。「怖い」「辛い」「苦しい」「嫌だ」こんなネガティブな感情に常にさらされているでしょう。肉体的な疲労、精神的な疲労は常にピークに近い。でも倒れることは許されない。

こういう生活を送っていると、「体調管理のものさし」がどんどん狂っていきます。「常に疲れている状態」がその人にとっての「普通」になっていくのです。

加えて、「辛い」「苦しい」「怖い」なんていう感情は、できるだけ意識しない方が戦いやすいですよね。そうすると、感情を抑圧する癖がつきます。

辛いこと、怖いこと、苦しいこと、そういったネガティブな感情からできるだけ目を背け、なかったことにします。これが板につくと、いわゆる「感情麻痺」が習慣になり、自分が今どんな気持ちで過ごしているのか、そういったことに気づきづらくなるのです。

怖かったこと、辛かったことなどのネガティブな感情だけでなく、嬉しい、楽しい、ワクワクするとか、ポジティブな感情にも鈍くなっていきます。辛いことがわからないのですから、自分にどれだけのストレスがかかっているのかもわかりません。なにが辛いのか、何が自分にとって楽で安心なのか、そのあたりを評価するものさしがどんどん狂っていくのです。

このように、強い緊張感は、体の感覚も感情も思考も麻痺させていきます。戦場の兵士で例えるとちょっと極端に感じるかもしれませんが、過重労働や強い人間関係のストレスに毎日さらされていれば、個人差はありますが似たような状態に陥ります。

確かに体調は悪いです。睡眠も一日3時間くらいしかとれていないので朝は本当にしんどいです。ふと涙が出ることもあります。でも、まだ『死にたい』とまで思いません。5年くらい前は毎日死にたい気持ちで働いていて、その時に比べれば全然普通なので、まだ僕は大丈夫なんですよ。

こんなふうに話す人にカウンセリングでお会いすることがありますが、健康の基準がだいぶ狂ってしまっていますよね。「死にたい気持ちになっていない状態」であればまだ働くことができると思っているわけですから、これはとても危険なことです。

このように、日々心身ともに高い負荷がかかっていて相当に疲れている状態の人が、連休を迎えるのです。兵士が戦場を離れて安全な自宅に帰るまさにその時、日々の緊張が緩み、溜め込んでいた疲れが放出されます。

例えば、戦場では4時間睡眠で良かったのに、自宅では泥のように眠り続ける。これと同じことが起きやすくなります。高熱、咳、ひどい疲労、過眠など、あなたを悩ます「連休の不調」の症状がまさにそれではないでしょうか。


克服のために必要なことは、辛いことを「辛い」と思えるようになること。

つまり、連休に具合が悪くなりやすいあなたは、「日々の疲れやストレスのレベルを、正しく評価できていない」可能性があります。あなたが思っている以上に、疲れ、ストレスが蓄積しているのです。

「え?私のこと?そんなに疲れているつもりはないですよ」

こう思ったあなたに伝えたいです。だから、「その自覚のなさ」が危険なのです。

  • 職場が慢性的な人手不足で、毎日強いプレッシャーにさらされている。
  • 性格的に責任感が強くて仕事を抱え込みやすい。
  • 完ぺき主義的で家事や仕事に手が抜けず、いつもあれやこれやと頭を回転させて動き回っている。
  • 同僚や利用者に傷つけられても、「仕事をしていればこれくらい当たり前」と言い聞かせて、抑圧する。
  • 「自分がどうしたいか」ではなく「どうすべきか」ばかり考えて行動する。
  • 人間関係でストレスを感じても「私さえ我慢して済むなら波風を立てないようにしよう」と考えて何も主張しない。

例えば、あなたは上記に挙げたような傾向に当てはまりませんか?強いストレスが当たり前な環境で働いていたり、ストレスがかかりやすい性格傾向にあったりすることで、あなたのものさしが狂っている可能性を疑ってみましょう。

何が辛いのか、何がストレスなのかもわからない状態になっているような、そんなリスクを抱えている可能性があるのです。 そのような状態から抜け出し、連休にきちんと予定をこなせるようになるには、体調管理のものさしを正常に戻すことが大切です。

つまり、辛いことを「辛い」と思う。イヤなことを「イヤだ」と感じる。負担なことを「負担だ」と認識する。安心できる時間を「安心だ」と感じる。こういうノーマルな感覚を取り戻すことです。

そのための方法として、お勧めなのはポジティブな感情や、楽な体の状態をきちんと味わうことですね。カラオケが好きなら、カラオケをやって「楽しい」「嬉しい」をしっかりと味わう。楽しい、嬉しい、安心がわかってくると、「楽しくない」「嬉しくない」「安心じゃない」もわかるようになります。

これまでは負担だと思わなかった職場の人間関係も、「なんか楽しくないな」と悩めるようになり、「私って、同僚とのランチがつらいのかも!」と気づけるかもしれません。

あるいは、マッサージや温泉にいって体をほぐすなども効果があります。体が軽く感じるようになれば、「だるい」「重い」「痛い」がわかるようになります。これまで「痛い」「重い」と感じていなかった体が、「けっこう悪かったんだな」「疲れているんだな」とわかるようになることで、日頃からマッサージに定期的に通ったり、運動したりする習慣を取り入れることができますよね。

このようにしてノーマルな感覚を取り戻せるようになると、感情や体に意識が向くようになり、自分のことを今よりもっと労わるようになりますよ。

結果として、連休に具合が悪くなることもなくなり、楽しく予定をこなすことができるようになります。ここまで読んでいただき、いかがでしょうか。ご自分に当てはまるなという方は、ぜひできるところから取り組んでみてください。

AIDERS 代表 山﨑正徳

公認心理師・精神保健福祉士。精神科・EAP機関・カウンセリングルーム・学校などで、2万件以上の相談を受けてきたカウンセラー。自身の燃え尽き・離職等の経験から、対人援助職のメンタルヘルスを向上させることを目的にAIDERS(エイダーズ)を開業。これまで、延べ3000人以上の対人援助職に対してバウンダリーやクレーマー対応などをテーマに講演を行っている。

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